人は環境で変わるってはなし-就活、転職の適正診断って?
たまにカツマーになる私は、マルコム・グラッドウェル氏の本を突然読みたくなる。
急に売れ始めるにはワケがある ネットワーク理論が明らかにする口コミの法則 (SB文庫)
- 作者: マルコム・グラッドウェル,Malcolm Gladwell,高橋啓
- 出版社/メーカー: SBクリエイティブ
- 発売日: 2007/06/23
- メディア: 文庫
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そんなこんなで買った本だけれど、要はchasmに似たような話であった。
爆発的に広めたい情報はどんな媒体?人?を使えばいいいのかをユーモアに溢れた文体で記載されている。ユーモアに溢れていても決してわかりやすいわけではないし、事例が多いわけでもない。多分マーケティングの本でいえば、下記2点が事例も多いし、わかりやすいと思う。
マーケティング戦争 全米No.1マーケターが教える、勝つための4つの戦術
- 作者: アル・ライズ,ジャック・トラウト,酒井泰介
- 出版社/メーカー: 翔泳社
- 発売日: 2007/04/20
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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キャズム Ver.2 増補改訂版 新商品をブレイクさせる「超」マーケティング理論
- 作者: ジェフリー・ムーア,川又政治
- 出版社/メーカー: 翔泳社
- 発売日: 2014/10/04
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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そんな上記二点との違いと言われると、上記はchasmの越え方、越えた後のフォローまで一連の話を書いているが、本書はどのように爆発させるか、chasmを超える以前の話を書いているように思える。爆発させるがchasmを超えるかはわからん。ただこういう属性の人、媒体を使うといいよ!って情報が書いてある。
そのため、マーケティング戦争と、キャズム2を読んで補足としてこの本を読んでもいいし、読まなくてもいいと思う。書評だけでもいいかもしれないが、作り言葉が多いので、そこらへんはうまい書評を見つけた方がいい。
下記なんかはオススメだ。
急に売れ始めるにはワケがある|ビジネススキル向上のための書評ブログ
ティッピングポイントを迎えるには、コネクターという顔が広い人と、メイデンという情報好き、おしゃべり好きと、セールスという説得する人が必要らしい。
キャズム理論に置き換えると、下記の感じかなと。もちろん三者全てがティッピングポイントを超えるために必要な存在であると同時に、それぞれの属性は異なる気がする。
コネクター:イノベーターとその他との橋渡しをしてくれる?
メイデン:アーリーアダプター
セールス:アーリーマジョリティー層?
【ティッピング・ポイント】 THE TIPPING POINT
あるアイディアや流行もしくは社会的行動が、敷居を越えて一気に流れ出し、野火のように広がる劇的瞬間のこと。
本書の最後に、人の行動は背景に支配される、という話がある。
神学を学ぶ学生に、志を思い出させて描き起こさせるグループと違うグループを作る。さらに、その後講演を行ってもらう際に、「時間がないから急げ」とけしかけられるグループと、多少時間に余裕があるように説明されるグループに分け割れる。ここまでで4事象が存在することになる。
その後、講演会場までの道中に息も絶え絶えの人間がいた場合、どのグループが一番人助けをするのか?という実験があったそうな。
結果、志を思い出そうが、それを書き起こそうが関係なく、時間があるグループは60%以上助け、急かされたグループは30%程度しか助けることはしなかった。
彼らは人の為、世界の為に神学を学んでいようがその一時だけはただの人間になるのだ。
そう考えた時、我々が人格テストや、就職時の適職テスト、性格テストを行うことに意味があるのか甚だ疑問に思えてくる。
人はその瞬間に自分が置かれている状況で性格が変わるのだ。会社では偉そうなじじいも家では窓際かもしれないし、バリキャリの女性も家では猫かもしれない。
あなたの性格はどっちですか?という質問に、時と場合による、という回答が一番しっくりくるのだと改めて実感し、仕事の上での性格を改めて理解しないとあの手のテストは役に立たないことを感じた。
※そう考えると、社会に出たことのない学生へ受けさせる類のテストではないよなぁと。